学校心理士目指しているときにまとめた用語集です。
現時点の試験に対応しているかはちょっと責任持てないですが、心理学用語系はまとめてあると思います。
あと下の本は読んどくといろいろ勉強になるのでおすすめ。
高認心理士から学校心理士目指す人もいるんですってね。すごい。
学校心理士の仕事
援助サービス=アセスメント・コンサルテーション・カウンセリング
アセスメントは、心理検査、面接、調査、観察などの作業
コンサルテーションは、厳しい指導ではなく、子どもへの関わりについて一緒に考える作業
カウンセリングは、悩みを持った子への直接的な援助
カウンセリングの専門資格一覧
臨床心理士:財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する資格。スクールカウンセラーの代表例。
認定カウンセラー:日本カウンセリング学会が認定する職能を規定しない一般的なカウンセラー資格。
特別支援教育士:通称SENS、LD・ADHDなどの心理教育アセスメント、それに基づく教科指導を特色とする。
臨床発達心理士:一般社団法人臨床発達心理士認定運営機構によって認定。子育て支援や高齢者支援など幅広い
学校心理学とは何か
学校心理学とは何か、その定義、援助サービスの考え方、1時2時3時サービスの3つの柱、他関連領域・教育心理学・臨床心理学・カウンセリング心理学との異動含め理解している。
学校心理学とその近辺領域の異同
学習支援、学校教育相談、特別支援、頭語教諭活動、スクールカウンセラー活動などをカバーする「最小公倍数」
教育心理学との異同
教育心理学は教育の改善に資するための学問であり、最も重要なきばん。一方、学校心理学は双方の統合を目指し、学校教育に焦点を当て、援助サービスに焦点を当てることが異なる。
臨床心理学との異同
子どもの問題状況の解決を援助する点で共通するが、臨床心理学は個人に焦点を当てるが、学校心理学は環境の中にいる個人に焦点を当てる「環境への介入」。心理内部ではなく、現実世界に焦点を当て、障害がある中でどのように生活を充実させるかを考える。また、全ての子どもを対象にする。
カウンセリング心理学との異同
自助資源を発見し、子どもの問題解決と成長を援助する点で共通する。
学校心理学は学校教育に焦点を当てる、クライエントへの面接ではなく、子どもへの援助チームを重視する点で異なる。また、カウンセリングよりもチーム援助を強調する。
学校心理学の3つの柱
心理学基盤・心理教育的援助サービスの方法「アセスメント・カウンセリング・コンサルテーション」・学校心理学援助の実際
学校心理士と他資格の関連は、心理教育アセスメントを役割の一つとして重視していること、学校教育の一環として援助サービスを行うことや、チーム援助を強調することが違い。カウンセリングの専門性は共通。
心理援助サービスについて
4種のヘルパーとは
専門的ヘルパー:心理教育的援助を主とする援助者
複合的ヘルパー:複合的に仕事する教師など
役割的ヘルパー:保護者
ボランティア的ヘルパー:自発的に行う人で地域十人や友人など
3段階の援助サービス
一時的援助サービス:すべての子を対象とし、発達促進を目標とする。対人スキル、学習スキルなどを高める。学級整備などもそう。
二次的援助サービス:登校しぶり、学習家欲の低下孤立など、学級生活の苦戦がある危険性の高い子どもへの援助サービス。SOSチェックリストやQUなどを活用。
3次的援助サービス:不登校、LD、ADHDなどの発達障害あるいはいじめ、非行など特別な援助を個別に提供する。
心理教育援助における3層システム
個別の援助チーム:特定の子どもに対して、担任、保護者、特別支援コーディネーターなどのコア援助。アセスメント、援助方針の決定、援助案の作成、役割分担、期限の明確化を行う。
コーディネーション委員会:学校全体の援助サービスのコーディネーションを行う。養護教諭、スクールカウンセラーなどで定期的に開催。不登校や発達障害で苦戦している子どもへの援助、心理教育サービスの課題、個別援助チームの促進、マネジメントの4つの機能。
マネジメント委員会:学校全体のシステムを支え、学校教育に関する意思決定をする。管理職、学年主任、生徒指導主事から構成。学校のもつ資源、援助ニーズの把握。情報共有・問題解決・教育活動の評価と見直し・校長の意思の共有の3つの機能あり。
学校心理士の役割:アセスメントを集め、意思決定の資料を提供する。子どもへの直接の援助サービスを行う。教師や保護者、学校組織へのコンサルテーションを行う。コーディネーション委員会レベルでコーディネーションを行う。
学習心理
連合論的見方
学習は学習者の個人的な活動を通して起こる行動変化。
ソーンダイクのS-R連合論
学習者の刺激に対する反応のうち、快をもたらす反応との連合が強められる。特定のしげきと反応への強化が繰り返されることで、刺激と反応の結びつきが漸進的に作られる。
スキナーの道具的条件づけにおける強化
SR連合論から繋がっていく。
認知論的な見方
経験が学習者の者の認知に影響する。特定のしくみや働きという点から学習過程に光が当てられた。
トールマンの迷路学習
アトキンソンとシフリンの多重貯蔵庫モデル
クレイクとロックハートの処理水準モデル
バッドレーの作業記録モデル。
活動論的見方
共同体の中で認知が変化する。
ヴィゴツキーの発達の際近接領域説
学習者が一人で到達できる段階と、教師や仲間から援助があれば到達できる段階との間にある領域で、共同的活動により引き出される。
エンゲストロームの拡張による学習
活動論的な学習理論の発展系
記憶と理解
記憶システム
短期記憶
短期記憶は意識化された情報を保持する一時的な記憶。保持時間は非常に短く、容量は小さい、メモリー、スパン、テストにより測定できる。短期記憶容量は7±2チャンク。
作業記憶:ハッドリーとヒッチ・保持と作業の機能を総合して、作業記憶と呼ぶ。
長期記憶:覚えているのは長期記憶、永久保じ、容量無限、エピソード記憶と知識の2種類。
知識は宣言的知識と手続的知識に分類。
宣言的知識は、我々の知っている事実からなる。
手続的知識は、我々が知っているやり方、技能。言語記述困難。
記憶の改善:既に有している知識との関連や、意味に基づく加工が重要。
理解の心的過程:入力された情報から、情報同士を関連づけて統合する作業。
動機づけ
やる気、あるいは学習意欲のこと。
知的好奇心:新規な刺激や情報を求める傾向。驚きや疑問などは特殊的好奇心という。
達成動機:目標となる物事をよりよく成し遂げたい動機。目標により異なる。個々の生徒に達成動機を持たせる配慮が必要。
外発的動機:報酬を得るためにある行動をとるように動機づけられること。
内発的動機づけ:学習することそのものに興味関心が向けられている状態。
学習初期に外発的動機になりながらも、内発的動機になるように援助することが望まれる。
学習指導と授業
学習無力感:セリグマンが提唱した。学習においてできない経験を繰り返すと、学習活動に全く取り組もうとしなくなることがある。失敗や成功の認知の問題を合わせて考える。
自己効力感:自分の力でどうにかできそうだと言う確信
原因帰属の3つの次元
原因の認知を原因帰属というが、これには3つの次元があり、ウェイナーが提唱した。
1、その原因が自己の中にあるのか外部にあるのかという統制の位置。例として努力不足や、能力の無さ。
2、原因の状態が変化するのかしないのかという安定性。例えば問題が難しかった、山が外れた。
3、自分でコントロールできるか。例えば勉強の仕方がわからない。教師の教え方が下手。
いずれの原因に帰属するかで、その後の学習意欲に大きく影響する。
連合論的学習理論を拠り所とした、2つの学習法
プログラム学習法:一見複雑そうに見える学習内容も実は単純な行動の連鎖からなり、学習者がそれらの行動の一つ一つを行うたびに直ちに強化を与えれば、やがて元の複雑な内容の学習も可能になる。
5原理があり、積極的反応、即時応答、スモールステップ、学習者検証、自己ペースがある。
完全習得学習法:学習者ごとに最適化された教材と教え方の工夫を組み合わせることで学習に必要な時間を短縮すれば仮に一斉授業であっても全ての学習者が同じ内容を完全に習得可能なはずだ。
文科省の個別最適の発想に近い。教育目標の詳細かつ具体的な記述が必要。
教育目標分類学
【Bloom et al.(1956)は、認知領域に関して知識、理解、応用、分析、統合、評価の 6 つのクラスから構成される教育目標分類学を提唱した。】
や、
教育目標細目表
【教授目標の明確化にあたって、その目標がどの内容にかかわり、またどのタイプの目標に分類されるのかの位置づけを行うことがある。教授内容と目標行動のタイプの2次元で教授目標を位置づける表を内容・行動マトリックス(または、目標細目表)という。】
が手がかり。目標基準準拠テストや形成的テストに基づく評価が重視。
認知論的学習理論に立脚した2つの学習法
発見学習法:学習者自身の探究と発見の過程を通して学んだ内容は、需要的に学んだ内容に比べてより深い理解と定定着をもたらす。
ミレス1997は、発見学習を用いた授業の方が、教師主導型よりも興味関心の維持に効果的。
学習完成までに時間を要したり、習得が予測困難という欠点がある。教師からのヒントなどを用いて進めることが考えられこの場合特に「導かれた発見学習」という。
有意味受容学習法
発見学習の有意味性と良さを残しながら、学習に先立って学習内容について抽象化、一般的、包括的な知識を学習者の直接提供することを実現しようとした学習法。
学習者の既存知識と関連付け荒れるように教え方を工夫し、受動的な学習方法であっても有意味な学習が成立しうる
先行オーガナイザー「本文に入る前にあらかじめ提示するそのテーマの枠組み」が用いられる。
適正処遇交互作用「クロンバチ」:適性とは学習者の心的特性の個人差、処遇とは適正に応じた考え方や学ばせ方のこと。
認知カウンセリング「市川」認知適性を面接で把握し、学習のつまずきの原因を探り、援助を行うこと。
認知スタイル「辰野」情報需要の仕方、情報処理の仕方、認知の好み、認知の速さの4分類
一次援助の中身になる。
発達心理学
発達研究の方法
縦断的研究:同一対象、集団から継続的にデータとる。因果関係を直接的に捉えられる反面、時間がかかり、継続的に調査に参加する協力者を集めにくい。
横断的研究:ある時点での年齢群からデータとる。短期間に多くのデータが集まり一般化可能だが、コホートさによる影響かどうか判断が難しい。
コホートとは、同時期に生まれ、同じような社会経験(同時代、同地域等)をした人々の集団のことです。
一方、時代が変われば社会体験も変わる(例えばバブル期と現代の大学生では、当然差がある)。これがコホート差。
ゲゼル:成熟説・内的な熟成により発達が促進される。学習の準備状態「レディネス」の重要性を説いた。学習には一定の成熟が必要という考え方。
ワトソン、スキナー、ロック:環境優位説、刺激や環境により発達が促される。
ジェンセン:環境閾値説・人により環境から影響を受ける値が異なる
シュテルン:輻輳説・生得要因と環境要因がそれぞれ影響する
プロミン:行動遺伝学・生得的なもの、つまり遺伝“資本”が個人の資質の半分以上を決めることが多い
発達段階と発達課題
胎生期
ポルトマン:「二次的就巣性」、誕生直後の器官ができていること、十分な発育より早く生まれる「生理的早産」
DOHaD とはDevelopmental Origins of Health and Diseaseの略であり、「将来の健康や特定の病気へのかかりやすさは、胎児期や生後早期の環境の影響を強く受けて決定される」という概念です。
乳児期
原始反射:モロー反射、バビンスキー反射、など
ファンツ:乳児を対象とした選好注視法により、人の顔を識別できる。
ギブソン:生後6ヶ月の乳児は奥行きを知覚している→生後2ヶ月
3ヶ月微笑み、8ヶ月不安、
ウィニコット:分離不安と養育者以外への移行
幼児期
家庭重視、アニミズム、並行遊び、連合遊び
児童期
横の関係が形成
学校における社会的ルール
小学校1、2年で、自己中心性からの脱却、因果理解、主観と客観の分離
小学校3、4年で、集団の凝集性高まる。ギャングエイジ
小学校5、6年で、高次の認知発達
アドラー:阻害からくる劣等感を補おうとする努力が人を前向きにさせる原動力
青年期
社会性の発達と、第2じ反抗期
ホール:疾風怒濤、エリングワース:心理的離乳、ブロスは第2の固体化
エリクソン:心理社会的発達理論によると、アイデンティティの確立が発達課題
マーシア:アイデンティティ確立の機器と系統の分類
エリクソン:古典的モラトリアム・現代的モラトリアム
バンデュラ:青年期平穏説
社会性と発達
ボウルビィ:愛着の発達を4段階に分ける。
エインズワース:ストレンジシチュエーション法、回避型、安定型、アンビバレント型
ハーロウ:代理母実験、安全基地、養育者との関係によって一人でも探究活動できる。
マルトリートメント:養育者の不適切な関わり
コールバーグ:道徳性の発達段階
ギャンググループ:たまに悪いことする集団・ギャングエイジ
チャムグループ:価値観の共通性によるグループ
ピアグループ:違いを認め合う集団
バウムリンド:親の養育スタイル、権威的・権威主義独裁的・許容的。権威的なスタイルで自尊感情やみずからの成長を成し遂げようとする認知が肯定的なことが見出される。
スタインベルグ:家族は青年期の最も重要な要因
ヤブロンスカ:青年期のアイデンティティには、適度な力の家族の凝集性がいる。
ピアジェ:認知的発達段階論、感覚運動器「対象物の永続性」、前操作期「自己中心性」、具体的操作期、形式的操作期・構成主義
ヴィゴツキー:認知発達理論・思考記憶という工事精神機能は、文化を媒介にする。社会的水準、心理的水準、「今日の発達水準」、「明日の発達水準」発達の最近接領域・社会構成主義
フロイト:心理性発達段階説・口唇期・肛門期・男根期・潜伏期・性器期
ユング:発達理論・人の人生は太陽の運行・少年期・成人前期・中年期・老人期・人生の正午
ブロンフェンブレンナーの生態学的システム理論・マイクロシステム「親」・メゾシステム「地域」・直接関わらないエクソシステム「行政」・マクロシステム「国」
臨床心理学
テストバッテリー:複数の心理検査を組み合わせること
うつ病:抑うつ気分・興味の喪失
気分変調症:抑うつ気分が一日中存在し、それのない日よりもある日が多い状態が2年以上続く
双極性障害:うつと躁が交互に来る。遺伝
不安症
分離不安障害:7歳くらいの児童に多い・母親の不安定さ・家族関係・遊戯療法・認知行動療法
場面緘黙:他の状況で話しているにも関わらず、特定の社会的状況において話すことが一貫してできない・不安に対応させる
社交不安症:人まえでのマイナスイメージや辱め、恐怖感。森田療法
パーソナリティ障害:柔軟性がなく、非適応、主観的な苦痛または機能障害
A:猜疑生、ジゾイド、統合失調型
B:境界性・自己愛・反社会的
C:回避・依存性・脅迫生
力動的アプローチ:ジグムント・フロイト、過去の親子関係で体験した感情が今他者に向けられている可能性、表面上の言動に惑わされず内面の心の動きを追う
来談者中心的アプローチ:カール・ロジャース、共感的理解、無条件の肯定的配慮、自己一致
認知行動論的アプローチ:中核信念、ロールプレイ、ソーシャルスキル
システム論的アプローチ:家族療法の主流、問題を抱えた人は家族を代表している、ダブルバインド、一般システム理論、サイバネティックス、リフレーミング、パラドックス、ジョイニング
折衷的アプローチ:技法を折衷的に合わせる。森田療法、主観、客観、行動
児童相談所:学校心理士が最も連携をとる、総合的な調査診断判定の援助「相談」、家庭から子供と引き離す「一時保護」、子供を入所させる「措置」
心理教育的アセスメント
アセスメントを目的とした面接:インテーク面接、受理面接
ビネー式検査:精神年齢の算出、IQ、田中ビネーⅤ
ウェクスラー式検査、幼児用WPPSIーⅢ、児童用WISCーⅣ(全検査IQ、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリ、処理速度)、成人用WAISーⅣ、偏差IQ、
K ABCーⅡ:認知尺度、習得尺度
人格・性格・健康状態に関する検査
質問紙法:質問紙にはい、いいえなどで答える。Y-G「矢田部ギルフォード性格検査」、MAS「顕在性不安検査」
投影法:絵などを用いて意識化の世界を判断、絵や図の刺激に対する言語反応「ロールシャッハテスト」、言語刺激に対する言語反応「SCT」、描画「HTP」「動的家族描画法」
作業法:単純作業によりパーソナリティを見る「内田クレペリン精神検査」
学校・学級のアセスメント
ソシオメトリック・テスト:モレノ、学級の中の下位集団、特別な位置にいる子供を知る。人権的観点から忌避される状況
学級風土質問紙:学級への質問をし5段階で評価する「関係性」「個人発達と目的志向性」「組織の維持と変化」
学級生活満足度尺度:「学校生活満足群」、3次的援助の「学校生活不満足群」、二次的援助の「侵害行為認知群」「非承認群」
教師用RCRT
学校享受感尺度
教育評価
診断的評価:子供のレディネスをはかる、学習開始時点の決定
形成的評価:ブルーム
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