今回は僕自身が経験した教員の暗黙のルールについて紹介します。
これを知らずして教員を続けていけば疲弊しますし、教員になろうとする人にとっては大きなギャップの原因になります。

僕はよく【地雷を踏む】という表現を使っていましたが、教員には暗黙のルールが多いので、勤務校のルールを見定めるようにしましょう。
また、暗黙のルールによって心を病んでしまう先生もいらっしゃいます(僕は一歩手前まで行きました)。
今回は僕自身の事例を紹介しつつ、特に注意したいルール3選を紹介します。結論、このルールはどの職員室にもあるので、合わないなと思ったら転職した方がいいです。
この記事は次のような方におすすめです。
教員の暗黙のルールを知って、職場でうまくやっていく方法を知りたい
職場でいやな思いをしたくない
今苦しんでいるのでなんとかしたい
教員という仕事が大変、ブラックというのも、ここに原因があるように思いますのでね。
僕自身が経験した暗黙のルール
僕がかつて勤務していた学校は、部活優位の環境でした。
ある時、重要な式典の準備のために、午前の授業で放課となる日があったんです。
僕は式典の放送係だったので、昼食後すぐに準備することにしました。
しかし、会場をバスケットボール部が占拠し、部活を始めてしまったのです。
これでは準備ができません。教頭に相談しにいくと「大会前なんだ。やらせてやれ」の一点張り。僕は納得いきませんでしたが、泣く泣く引き下がりました。
結局13時から式典準備の予定でしたが、準備の開始は19時になりました。
当然納得がいきません。そもそも式典の準備のために午前授業にしているのに、部活が優先されるなんてあり得ない。
僕はそのことに問題意識を持っていたので、後日の職員会議で提案しました。
そして、翌日、僕はバスケットボール部の顧問に職員室内で大声で「こっちに来い」と言われました。
そして、全職員の前で「お前がおかしな提案をしたせいで、大変不愉快だ。次回から会場の整備含めてお前1人でやれ!」と怒鳴られ、放送以外の仕事についても全て僕がやることになりました。
僕は唖然としました。周囲を見渡すと、どの職員も何事もないかのように知らん顔を決め込んでいます。そして、管理職も一切フォローしません。
あとで知った話ですが、バスケ部の顧問は声が大きく、言うなればこの学校の影のドンだったのです。そこが企画した練習に対して文句を言うというのは、あってはならないことだったのです。
職員たちはドンに対して意見を言って、巻き込まれたくないので、知らんぷりを決め込んでいました。
学校の暗黙のルールが生まれる理由
あまりにも理不尽ですよね。本来であれば管理職がいさめる場面だったと思いますが、校長も教頭も「バスケ部の顧問の先生が正しい」という姿勢を崩しません。管理する気がない。
学校の暗黙のルールは、マネジメントの不足から生まれます。
そもそも学校には、管理職が校長と教頭しかいません。
そして、校長は教育委員会から降りてきて、退職金たくさんもらえるし、校長なんだから仕事しないぞーという愚か者も複数いるので、実質教頭しか管理職がいません。
結果現場の管理者が不足し、声が大きく態度のでかい職員が、職員集団を牛耳ることになります。
さながらムラ社会です。
教員集団は横並びの鍋ぶた組織とよく言われます。管理職が職員を管理しないので、相互自治が基本となるわけですが、声がデカくて怖い教員は、恐怖によって集団を統治してしまいます。
結果、影のドンのような存在が生まれていくのです。
暗黙のルール3選
では、実際に僕が経験した暗黙のルールを3つ紹介します。特に精神的にきついものを選びました。
これに出会ったら、身を守るための最善の策を講じましょう。場合によって転職することも検討しましょう。
声の大きい教員が全てを牛耳る
一つ目は声の大きい教員が全てを牛耳っている事例です。僕自身の体験談もこれですね。
この教員がいる組織は以下のような特徴があります。
- クラブ活動が学校の大きな柱である
- 声の大きい教員が生活指導することで成り立つ学校
- 実績のあるクラブを管理職がチヤホヤする学校
特に、クラブと生活指導について、強権的で体育会系の姿勢を貫く学校に多いです。
こういった学校では、学習指導マネジメントなど役に立ちません。生徒を恐怖で支配し、大きい声で集団を統制するかに重点が置かれます。
ですから、声の大きい、周辺に一定の恐怖をあたえる教員が、集団のトップになります。
こう言った教員組織で自分の意見を発信するのは非常に危険です。影のドンの怒りに触れれば、酷い目にあります。
こうした組織では、管理職は力を持ちません。特に校長は、結果的に生徒が恐怖で支配され、トラブル等を起こさないので、安泰なのです。
影のドンの言いなりになるのが最も管理効率が良くなります。
やりたくないことは新人か若手
二つ目は、若手潰しとよく言われる暗黙のルールです。
学校の管理職は、マネジメント能力が低い者が一定数います。そうすると、仕事を割り振ることができないのです。
例えば、年配の先生に「それはやりたくない」と言われると、引き下がる管理職が結構います。
特に近年は、部活指導や生活指導、担任など、負担の大きい業務は毛嫌いされます。
結果、新人や若手に重たい業務を振るのです。
この時、次のような言葉がよく使われます。
「新人の先生が学校にすぐに慣れることができるように、仕事を振りました」
力をつけて欲しいとか、チャレンジして欲しいとか、そういう言葉も学校では【おしつけるための言葉】です。
そもそも、学校は年次昇給なので、年齢の高い職員がきつい業務をやることが当然です。責任の重い職をするから給与が高いのです。
しかし、教員集団にはそれを理解していない人がたくさんいます。50代にもなってまだマネジメントではなく自分の授業優先という愚か者も多い。
そもそも、年配職員が若手のころひどい目にあってきたので、若手は同じ目に合うべき!という層も一定数いますね。
明らかに40代、50代が楽をしていると感じたら要注意です。
教員は、年齢が上がるごとに授業の蓄積が増え、自分なりの成功体験が増えるので、結果的に仕事が楽になります。
ですから、年齢の高い教員には重い校務分掌が任されるのが当然です。
にもかかわらず、若手職員が授業以外できつい業務を押し付けている場合、それは暗黙のルールによるものかもしれません。
ハイパーネガティブ職員
正論のような口振りで否定を行い、業務を乱す教員がいます。
実は、教員間にはネガティブコミュニケーション(批判や相手を馬鹿にするような発言・責任問題などのクレーム)が非常に多いです。
特にこうしたことを行うのは、40代から50代くらいの職員です。
いわゆる、組織の中堅層です。
彼らは、「学校の未来のために、間違っていることは、問題だと言ってやる」と、学校のためになっていると思ってネガティブな発言を繰り返します。
しかし、多くの場合、学校の活気を奪い、全体のやる気を落とすだけです。
なぜこのようなことが起こるのかといえば、教員にはポストが少ないからです。
各学校の管理職は校長の教頭のみ。つまり出世ポストは2つしかない。
多くの会社では、出世のため管理職のいうことを守り、自分のキャリアを上げようとする動きがありますよね。
学校にはそれがない。ほとんどの職員は、出世コースがないからです。
だから、全体への不平不満を平気で口にします。
キャリアアップがない代わりに、キャリアダウンも教員にはない。
ゆえに、自分の減給等を恐れる必要がないからです。
あなたが理想に燃える若手職員なら、こうした外圧には本当に気をつけてください。
失うものがない中堅職員ほど、恐ろしいものはないですよ。
本来は管理職がフォローを入れるものです。しかし、ネガティブを撒き散らす相手はめんどくさいもの。
ネガティブ職員を放っておく現場も多いのです。
暗黙のルールに出会った時あなたがやるべきこと
では、このような暗黙のルールに出会った場合、あなたはどのようにすればいいのでしょうか。今回は3つのパターンを紹介します。
パターン1 学校以外の関わりを持つ
一つは、学校のことは仕事と割り切り、学校以外のコミュニティを持つことです。
学校の暗黙のルールは、時に大きなストレスとなります。特に、学校にしか人間関係がないと、心が弱っていきます。
家族や趣味など、学校以外のコミュニティを持ちましょう。
教員は長く続けるほどにリターンのある仕事です。一番大切なのは自分のことを守ることだと心得ましょう。
パターン2 キーパーソンを見つけて立ち回る
暗黙のルールを生み出す職員を見つけて、一定の距離感をとることも大切です。
暗黙のルールには理不尽なものも多いため、戦いたくなりますが、得てして組織が認めてしまったルールを変えることは難しいです。
職場内の人間関係を俯瞰してみることも大切です。危険な人物との付き合い方には最新の注意を払いましょう。
特に、教務主任や指導主事は、管理職と現場をつなぐキーパーソンなので、注意深く他の教員との関わり方を見てみましょう。
非常に上手に、組織と関わっている現場リーダーはたくさんいます。
そういう人たちと仲良くなり、仕事をもらえるようになると、理不尽を回避できるスキルが身についていきますよ。
パターン3 転職する
教員を続けたいという人がほとんどでしょうが、あなたの人生はあなたのものです。職場に人生を歪められるのは、決してあってはならないことです。
ですが組織は得てして変わらないもの。疲れてしまったら転職するのは、正しい選択肢です。
以下の記事に教員の転職についてまとめておりますので、ぜひご覧ください。
転職は逃げではなく、必要な選択肢ですから、必ず忘れないようにしましょう。
暗黙のルールとは上手に付き合おう
組織を変えるとか、ルールを変えるというのは膨大な労力がかかります。それに対して苦しんだり、悩んだりするのは損です。
僕自身も、暗黙のルールによる体験を受けて、上手な立ち回りを覚えたり、うまく逃げる方法を考えながら教員を続けてきました。
あの時の嫌な気持ちを乗り越えられたのは、家族や自分の趣味のコミュニティがあったからです。
結果的に転職をしましたが、暗黙のルールはどの職場にもあります。これを経験し、どのように乗り切るかを考えることも、キャリアアップになります。
暗黙のルールと上手に付き合って、元気に生活したいですね。
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